相続対策と相続税対策
みなさんは、相続対策と聞いて何を思い浮かべるでしょうか。
おそらく、相続税を少しでも安くするための節税対策と思っていらっしゃる方が多いのではないでしょうか?しかし、相続対策と相続税対策(節税対策)とは、まったく違うものなのです。
現在、日本でお亡くなりになられる方のうち、5%程度の方が相続税を払っていらっしゃいます。もし、相続対策が節税対策であるならば、世の中の95%の方には相続対策は必要ないことになります。
はたしてそうでしょうか?
実際には、相続をめぐるトラブルの多くが節税とは無縁の世界でおきています。
むしろ、節税対策を行ったばかりにトラブルが大きくなっていることもあります。
本当にご家族を愛しているのならば、あなたにも相続対策が必要です。
相続対策は争族対策
相続をめぐる最大のトラブルとは何でしょうか?
それは、残された遺族(相続人)の対立。
つまり「だれが、どの財産をもらうのか。」ということで遺族がもめることです。
それでは、残された財産が少なければ、もめないのでしょうか?
そんなことはありません。
むしろ、自宅だけが全財産というような場合の方が、それをだれがもらうのかは、切実な問題となります。
特定の遺族がほとんどの財産をもらっても、「うちの子に限って兄弟ゲンカはない」と言い切れますか?
息子さんのお嫁さんや、娘さんのご主人は納得しますか。
そんなことは言い切れないはずです。
そもそも、このようなもめごとは、なぜ起きるのでしょうか?
お子さんの性格の問題なのでしょうか?
それは違います。あなた自身に問題があるのです。
一度でもご家族の方々と相続について話し合ったことがありますか?
あなたの財産をもらえる方(相続人)をご存知ですか?
みんなで分けやすい形の財産を作っていますか?
あるいは、特定の遺族が多くの財産をもらうことについて、他のみなさんは納得していますか?
まだ何もしていないのであれば、やはりあなた自身に問題があるのです。
争族対策の次は納税対策
相続税を払うのは5%のお金持ちだけです。
お金持ちなのに相続税が払えません。どうしてでしょうか?
相続税とは人の死によって財産をもらうと、かかる税金です。
つまり、土地の名義が親から子に変わっただけでかかるのです。
日本のお金持ちの多くは、土地はあっても現金は持っていません。当然、相続税は払えないのです。払えなければ借金をして払うことになりますが、この借金を返済することも大変なことです。
そうなると、もらった土地を売るしかありません。
もし、その土地の上に節税対策のアパートが建っていたら、いったいいくらで売れるのでしょうか?
いくら税金が安くなっても払えなければどうしようもありません。
それでは、どうすれば良かったのでしょう?
例えば、節税にならなくても、いつでも売れる更地を残しておく方法や、事前に売却して現金化しておく方法もあります。
相続税を払うための借金を、楽に返済できるような土地の有効活用、生命保険の利用なども考えられます。
いずれにしても、事前に相続対策を立てることが、残されたご家族の幸せに結びつくのです。
相続対策の前に人生設計
ここまでは、相続対策の重要性について説明してきましたが、相続対策を立てる前に、必ず考えておかなければならないことがあります。
それはあなた自身の人生設計です。
相続対策に模範解答はありません。
相続対策が節税対策であれば、もっとも税金が安くなる方法が模範解答になります。
しかし、相続対策はあなた自身の人生設計により、解答は無限にあります。
例えば、更地を有効活用する場合、節税対策なら借金をしてマンションを建てることが模範解答です。でも、相続対策では、その更地を売って夫婦で豪華客船に乗り世界一周旅行をすることも解答になります。
あなた自身の人生設計が決まっていなければ、適切な相続対策は立てられないのです。
あなた自身のゆとりとやすらぎのある楽しい人生設計。
そして、残されたご家族を幸せにするための相続対策。
相続対策を立てることの必要性が、少しでもご理解いただけたでしょうか?
このコラムを読んで、一人でも多くの方が相続対策に興味を持っていただければ幸いです。