コラム Column
それに伴いサブリース方式を採用するオーナーも増える中、オーナーと不動産会社の間のサブリースに関わる契約を適正にするための項目を含む「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」いわゆる「サブリース新法」が可決され、施行されています。
そもそもサブリース方式ってなに?
オーナーが所有している部屋を、不動産会社が一括で借り上げ(特定賃貸借契約=マスターリース契約)、その物件を不動産会社が入居者に転貸する(サブリース契約)することを言います。
オーナーにとっては、入居者の有無に関わらず一定の家賃収入が保証されるため、空室や家賃滞納のリスクがなく、長期的に安定した収入を得ることができるメリットがあります。さらに入居者の募集や契約など、手間のかかる管理業務をプロの手に任せられるのも、大きな魅力です。
どうして新しい法律が必要になったの?
「サブリース新法」が必要となった背景には、近年オーナーと不動産会社の間で起こるトラブルが社会問題化したことにあります。
「サブリース契約期間中に、サブリース会社から大幅な家賃減額を求められた」「サブリース契約の解約を伝えたところ、違約金を求められた」といった声が寄せられ、このようなオーナーと不動産会社の間のトラブルを事前に防ぐ目的で、新法がつくられました。
次の項目では、「サブリース新法」によってどのようなことが決まったのか、その一部を紹介します。
誇大広告、ダメ!
まず、支払われる家賃や管理の方法、一括借り上げの契約解除について、実際よりも著しく優良・有利であると誤認させるような表示が禁止されました。
一定期間がたつと家賃が見直される場合は、広告に掲載する必要があります。また修繕費や維持保全費用が、実際にはオーナー負担となる場合があるにもかかわらず「修繕費用・維持保全費用は一切かかりません!」と謳っている場合にも、この誇大広告にあたります。
不当な勧誘行為、ダメ!
オーナーが契約や解除の判断に影響を及ぼす重要な事項について、故意に事実を告げなかったり、事実でないことを告げることも禁止しています。またこの不当な勧誘行為の禁止は、建設業者や不動産業者などの「勧誘者」にも適用されます。
オーナーが契約を断ったのに、何度も勧誘に行くことや長時間の居座りなどもしてはいけません。
マスターリース契約前に、重要事項を説明!
オーナーが所有している部屋を、不動産会社が一括で借り上げる特定賃貸借契約(マスターリース契約)を結ぶ前に、支払う家賃や維持保全の実施方法、転借人の条件、契約の更新や解除について定めがある場合は、その内容について書面を交付して説明をする必要があります。
不動産会社は重要事項説明を行い、オーナーに契約内容やリスクを十分に理解し熟考してもらわなくてはなりません。
まとめ
これまでのトラブルを見てみると、一部に悪質な不動産会社が存在する一方で、オーナーが契約内容についてよく理解しないまま、よいところにばかり目をとられて契約に至っていることが原因のことも。
新法が施行されることで、悪質な不動産会社は淘汰されていくでしょう。さらにオーナー自身がマスターリースやサブリース契約について理解できる機会も増えます。大切な資産を守っていくために、不動産会社からの提案を鵜呑みにせず、自分自身でメリットやデメリット、リスクを理解した上で契約をすることが、なによりも大切です。