コラム Column
転勤や家族構成の変化で、大切な持ち家を賃貸に出す場合があります。「転勤から戻ってきたら、また住みたい」「実家に帰るので、もう住む予定はない」等、状況は人それぞれです。このように家を貸す状況になった際には、賃貸借契約が必要となりますが、その方法は2種類あります。どちらの方法が自身の状況に合うかを見極めることがとても重要です。
普通借家とはどんな契約?
普通借家契約(または一般借家契約)は、契約期間ごとに更新をされることを前提とした契約です。借主が自ら退去の意思を表示しないかぎり、部屋が空くことはありません。申し出がなかった場合には従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなされます。
「普通借家契約」のメリット、デメリットとは?
●メリット
①相場の家賃で貸すことができる。
普通借家契約が一般的な賃貸契約の方法である地域が多いため、賃料は地域一帯の平均的な価格に設定することができます。
②需要が幅広い
住む期限を限らずに住居を探している人の方が多いため、借主が見つかりやすい傾向にあります。
●デメリット
①貸主都合で借主を退去させることがむずかしい
借地借家法では借主は手厚く保護されており、更新を前提とした契約であるため、貸主の都合で退去をしてもらうことが困難です。退去を希望する場合には立ち退き交渉が必要となり、多額の立ち退き料が必要となることがあります。
②家賃を上げることがむずかしい
契約が継続している中、貸主都合で家賃を値上げすることはできません。貸主と借主の双方が合意すれば、家賃を値上げできますが、可能性は低いと言えます。
持ち家に再び住む予定がなければ、多くの場合「普通借家契約」が選ばれます。
定期借家とはどんな契約?
「定期借家契約」では、定めた期間が終了すると、契約は更新されることなく終了し、借主には退去が求められます。契約の期間は、「賃貸借契約日から5年」「202●年●月●日まで」等、貸主の都合に合わせて決めることができます。貸主と借主が合意した場合は、再契約し住み続けられることがあります。
「定期借家契約」のメリット、デメリットとは?
●メリット
①借主の立ち退きが必要ない
借主は、賃貸借契約の終了にともない退去するため、立ち退きを要求する必要がありません。
②家賃の見直しができる
貸主と借主が合意して再契約を行うことがありますが、その際に契約内容を見直すことができます。状況によって、家賃を上げることができる可能性もあります。
●デメリット
①相場より家賃が安くなる
住むことができる期限が限られているため、入居希望者数が少ない傾向にあります。多くの場合、普通借家契約の同ランクの物件と比較して、家賃を少し落として募集をします。
②法人契約がしにくい
法人契約とは、会社が借主となる契約のことです。法人契約では、会社規定により物件の条件として定期借家物件はNGと決められていることが多くあります。
まとめ
これから持ち家を賃貸に出すことを検討している人は、普通借家契約と定期借家契約の違いをしっかり理解した上で、自身のライフプランと照らし合わせて、契約方法を検討してみてください。ただし一部地域では慣習によって考え方が異なる場合があるので、注意が必要です。福岡で自宅マンションや一軒家を賃貸に出したいと検討している方は、ぜひ三好不動産にご相談ください。最適な契約方法をご提案いたします。